避難シューズも準備しておこう
避難シューズとは、地震災害で起こりやすいケガから足を守るために用意する特別な靴のことを指します。日本は地震大国と言われており、いつどこで災害が発生してもおかしくない状況にあります。また、近年では台風や集中豪雨による浸水被害も増加しており、避難が必要になる場面が増えています。その際、足元の安全を確保することは、避難行動をスムーズに行うために非常に重要です。
では、避難シューズの役割や選び方について、詳しく見ていきましょう。
災害時に靴が重要な理由
災害時の環境は、普段の生活環境とは大きく異なります。地震で建物が倒壊したり、台風で浸水したりすると、瓦礫やガラス片、尖った釘など危険な物が散乱します。そのような状況で普通の靴やスリッパでは、足を守り切ることが難しい場合があります。ケガを負ってしまうと移動が困難になり、迅速な避難ができなくなる恐れがあります。
特に「踏み抜き」と呼ばれるケガは、瓦礫やガラス、釘などが靴底を突き抜けて足に刺さることで発生します。これは災害時によく起こる事故の一つで、適切な対策を取らないと命に関わる事態を招くこともあります。
避難シューズの特徴
1. 丈夫な靴底
避難シューズの最大の特徴は、丈夫な靴底を持つことです。踏み抜き防止のために専用のボードが内蔵されているものが多く、鋭利な物が靴底を貫通しにくい設計となっています。この構造により、瓦礫やガラス片の上でも安心して歩くことができます。
2. 足全体をしっかりホールド
災害時の避難は、素早さと安全性が求められます。そのため、避難シューズは足全体をしっかりホールドし、脱げにくい設計がされています。スニーカータイプのものが多く、靴紐やストラップで足にしっかりとフィットさせることが可能です。
3. 防水性・排水性
浸水被害の多い地域では、防水性や排水性も重要なポイントです。水を含むと靴が重くなり動きづらくなるため、避難シューズには水を弾く加工が施されていることが理想的です。また、濡れても乾きやすい素材で作られていると、長時間の使用にも耐えられます。
4. 滑りにくい靴底
避難時は、液体がこぼれた床やぬかるんだ地面を歩くことも多く、滑る危険性が高まります。滑りにくい素材や設計が取り入れられた靴底であれば、そうした場面でも安心して行動できます。
避難シューズの選び方
避難シューズを選ぶ際には、以下のポイントに注意しましょう。
- 普段使いできるデザイン
避難用として購入しても、日常的に履けるデザインであれば使用頻度が上がり、靴の劣化を防ぐことができます。普段使いもできるスニーカータイプはおすすめです。 - サイズ感
サイズが合わない靴は足を痛める原因になります。足をしっかりホールドしながらも窮屈すぎないサイズを選びましょう。靴下を履いた状態でもフィットするものを試してみると良いでしょう。 - 耐久性と寿命
靴の寿命は一般的に5年程度とされていますが、避難シューズは特に厳しい環境で使用することを想定して作られています。購入後は定期的に状態を確認し、必要であれば早めに交換することが大切です。 - 防水スプレーで保護
防災用の靴には、防水スプレーを事前に使用しておくのがおすすめです。これにより汚れや水を弾き、非常時でも快適に使用できます。
避難シューズを普段使いするメリット
災害はいつ起こるかわかりません。そのため、避難シューズは「備え」としてだけでなく、日常生活で活用することが重要です。普段から使用することで靴の状態を維持し、いざという時にすぐ使える状態を保つことができます。
例えば、職場や学校への通勤・通学時に避難シューズを使用すれば、災害発生時にもそのまま避難行動に移ることができます。また、通気性が良く履き心地の良いものを選べば、長時間の使用でも快適です。
防災シューズ以外の準備も忘れずに
靴だけでなく、災害時には他のアイテムも役立ちます。例えば、折りたたみ式の長靴は、浸水時や雨天時に便利です。軽量で持ち運びやすい設計のものを選べば、防災リュックに入れておくことも可能です。
備えあれば憂いなし
避難シューズは、命を守るための重要な備えの一つです。普段から使えるデザインを選び、定期的なメンテナンスを行うことで、災害時にも役立つ状態を保ちましょう。地震や大雨などの災害に備え、足元の安全を確保する習慣をつけることが、自分や家族を守る第一歩です。
災害はいつ起こるかわかりません。今からできる備えを始めてみてはいかがでしょうか?