1. >
  2. >
  3. 耐震補強の減税制度

耐震補強の減税制度

前回の記事で新耐震基準ではない建物でも、所定の耐震診断と耐震改修工事を行えば、地震保険の保険料が割引されることを解説しました。
将来に備えるためにも耐震改修工事は行いたいものです。しかし、耐震改修工事はお金がかかるもの。わかっていても踏み切れない人も多いかと思います。そこで知っておきたいのが耐震改修工事を対象とした減税制度。税の優遇措置について解説します。

所得税の控除

要件を満たした耐震改修工事を行うことで所得税が一定額控除されます。投資型減税と住宅ローン減税の2種類があり、2021年12月31日までに工事完了・入居が対象です。翌年の3月15日までに税務署への確定申告が必要になります。

投資型減税

旧耐震基準(1981年5月31日以前の耐震基準)で建築された建物を、現行の新耐震基準(1981年6月1日以降の耐震基準)に適合させる改修工事をした場合に適用されます。耐震以外に、バリアフリー、省エネ、長期優良住宅化なども対象です。減税期間は、リフォーム工事が完了した1年で、所得税から「標準的な工事費用相当額から補助金などをのぞいた額の10%」または「控除限度額25万円」のいずれか少ない額が控除されます。

住宅ローン減税

返済期間10年以上のローンで借りて行う改修工事が対象です。工事費用が補助金をのぞいて100万円以上、リフォームする住宅の専有面積が50平方メートル以上といった条件があります。減税期間は改修後、入居した年から10年間で、各年の住宅ローン年末残高の1%が所得税から控除されます。上限は40万円で、控除額が所得税額より多い場合は、翌年の住民税から136,500円を上限に控除されます。

固定資産税が半額

要件を満たす耐震改修工事を行うと固定資産税の減額も受けられます。工事が完了してから3カ月以内に市町村へ申告しなくてはいけません。税務署ではないので注意してください。
減税額は翌年の固定資産税が1/2されます。さらに一部地域では減額措置を受けた後、建物を一定期間減免するところもありますので、市町村を確認してください。
ただし、バリアフリーまたは省エネリフォームの減額措置との併用はできません。

現在、国をあげて耐震化を進めています。耐震に関する工事を補助する制度があっても、知らなければ活用できません。改修工事を検討しているなら、減税制度についても確認しておくといいでしょう。詳細は国土交通省のサイトにあります。いざという時のための安心だけではなく、節税につながるとなれば利用しない手はないでしょう。