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災害時に頼れる携帯ラジオの使い方を知っておこう

AM・FM・ワイドFMなど受信方式の違いを理解しておく

携帯ラジオを選ぶ上で、まず押さえておきたいのが受信方式の違いです。AMは長距離伝送に優れており、災害時でも比較的広い範囲をカバーする特性があります。一方、FMは雑音に強く音質が安定しやすい特徴があります。ただし、近年は一部地域でAM局が停止したときのバックアップとして、FMの周波数帯でAM放送を受信できるワイドFM(FM補完放送)も整備されています。ラジオが受信しやすい選び方を考えるなら、このワイドFMに対応していることは重要なポイントです。

AMは建物や地形の影響を受けやすい一方、FMは災害時の停電や鉄塔被害などで一時的に弱くなる場合があります。それぞれの方式に強みと弱みがあるため、複数の受信方式に対応している携帯ラジオは情報を幅広く取るうえで安心感があります。普段あまりラジオを使わない人でも、緊急時には公式発表や避難情報を得るための大切なツールになるため、受信方式は必ずチェックしておきたい部分です。

アンテナ・電源方式・操作性など選ぶ際に注目したいポイント

災害時は環境が整わず、通常より受信が不安定になりやすいことがあります。そのため本体アンテナの性能は重要で、特にFMは伸縮式アンテナを備えたモデルのほうが受信が安定しやすい傾向があります。AMは内蔵バーアンテナで受信する仕組みが一般的で、機器をゆっくり回しながら最も感度が高い方向を探すことで受信しやすくなります。

電源方式も携帯ラジオ選びの重要なポイントです。乾電池式は停電時でも確実に使えるため、防災用途では安定性が高い選択肢になります。手回し発電やソーラー発電を搭載したモデルもありますが、発電量には限界があり、緊急時には必要な出力に届かない場合があります。やはり乾電池を備えつつ、予備として手回し発電があるという組み合わせが現実的だといえます。

操作性も忘れてはいけません。夜間や停電時は視界が悪いため、ダイヤルが大きい、音量調整やチューニングが直感的にできる、誤操作しにくいといった特徴が使いやすさにつながります。必要最低限の機能だけに絞られたシンプルなモデルは、緊張した状況でも扱いやすいメリットがあります。災害時にスマホが使えない状況を想定し、携帯ラジオ単体で素早く情報を取れるかどうかを基準に選ぶと失敗がありません。

停電や通信障害が起きたときに携帯ラジオが役立つ理由

災害が発生すると、スマホはすぐに情報収集の手段として使われますが、アクセス集中や基地局の障害で通信がつながりにくくなることがあります。また、長時間停電が続けば充電手段が限られ、必要なときに使えなくなってしまう可能性もあります。携帯ラジオは電波さえ届けば通信インフラに依存せず情報収集ができるため、こうした状況で頼りになる存在です。

ラジオは正確な情報を迅速に届ける性質があり、災害時の避難指示や気象情報などをリアルタイムで受け取ることができます。自治体の緊急放送やNHKの報道もラジオ向けに提供されており、誤情報やデマに振り回されにくい点も大きな利点です。特にワイドFMに対応していれば、従来のAMが聞きにくい環境でもFMのクリアな音質で情報が得られるため、受信の信頼性が高まります。

また、携帯ラジオは消費電力が小さく、乾電池でも長時間使えるため、停電が長引くケースでも役立ちます。スマホを情報収集だけに頼るとバッテリーがすぐに減ってしまいますが、ラジオがあればスマホの電源を温存しながら必要な情報を確実に受け取ることができ安心感が生まれます。複数の受信方式に対応し、操作しやすく、必要なときに確実に動く携帯ラジオは、家庭の防災対策として欠かせない備えといえるでしょう。